刃物セミナー 1日目 <刃物の歴史>
刃物セミナーは例年11月8日の「いい刃の日」前後で開催されることが多いが、今年は第50回刃物まつり記念行事として前倒しで開催。
初日は2017年6月27日(火)19:00~21:00の2時間、関市役所6階大会議室で行われました。
講師は尾上卓生先生で通称鉄の博士と呼ばれる昭和6年生まれの大先生。関市刃物セミナー講師を平成7年から担当しています。
刃物セミナー 1日目 <刃物の歴史>のまとめ
動物的な能力としては劣る人間が、道具としてつくり、考えて使用し厳しい環境を生き抜いてきたものの一つが刃物。
日本でも約60万年前の石器が宮城県上高森遺跡で発見されたと言われています。
教科書にも載っている有名な分類にもあるが石器時代、青銅器時代、鉄器時代です。
世の中は新しいもの、よりよいものを求めて、刃物の素材、材料も常に進化してきました。
しかし、材料は時代によって変化してきたが、刃物の基本構造は6000年以前の石器時代から同じです。石器時代から刃先もハマグリ刃に研がれています。
刃にはギザギザのノコ刃がついており、このノコ刃がないとものは切れない。
実際、現代の刃物も非常に細かいが500倍、1000倍するとノコ刃がわかる。
尾上先生のお孫さんが石器を使って料理をした様子の写真を見せてくれました。スパっとした切れ味にはならないようですが、ノコ刃で肉や野菜が切れて料理ができる。
今は新しい素材、材料のほうが売りやすく、人気がある。パッケージやカタログにも素材、材料を大きく歌ったものが多いが、それだけではいいもかどうかはわからない。
料理と同じで高級な食材をつかっても調理法が違っていたり、味付けが間違っていたり、素材を殺してしまっていては意味がない。
日々の仕事をするうえで材料の特性を知ること、それにあったベストな加工方法をしてよい製品、「折れず、曲がらず、よく切れる」ものをつくっていかなくてはいけない。
刃物セミナー 1日目 <刃物の歴史>の感想
専門コースというだけあって、勉強を始めたばかりの自分には知らない言葉や社名、商品名などが多くて戸惑いもありましたが、実際に見たり触ることができとてもわかりやすく楽しく勉強できました。
今回、尾上先生が用意してくれた石器や青銅器は先生がお金を出して集められたものもありました。なかなか博物館の展示物に触れることはできませんし、それらに直に触れることができたのはとても貴重な経験です。
刃物セミナーの使用テキスト
刃物のおはなし
著者:尾上 卓生、矢野 宏
発行所:財団法人 日本規格協会
定価:本体1,800円(税別)